音楽同人サークル『Magicberry Fields』のブログです。
ニコ動マイリスト→http://www.nicovideo.jp/mylist/5662950
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前回のセッション、時間なくてエンディングをカットしてしまったので。
ラノベ風の個別エンディング書いてみました。
追加したいシーンやセリフとかあったら、コメントお願いします。
※以下、シナリオのネタバレを含みます。
※もしどこかで再演を希望される方は、読まないことをオススメします。
ラノベ風の個別エンディング書いてみました。
追加したいシーンやセリフとかあったら、コメントお願いします。
※以下、シナリオのネタバレを含みます。
※もしどこかで再演を希望される方は、読まないことをオススメします。
■PC1エンディング 藤乃宮玲華の場合
「緋村」
あくる日の放課後。
ユウキは、花壇の花を手入れをしていたつばさに声をかけた。
「ユウキ君……? ど、どうしたの……?」
突然呼び止められ、つばさはしどろもどろになってしまう。
つばさの様子はすっかり元に戻っていた。少しおどおどしているけど、やさしかったいつものつばさに。
「オレも……手伝うよ」
手に軍手をはめてシャベルを持つユウキだったが、何をしていいかさっぱり分からない。
「そ、そう……? じゃあ……、ここに10センチくらいの穴を掘ってくれる?」
「おうよ!」
ユウキは、見よう見まねで花壇に穴を掘りはじめる。
「あのさ……この前はゴメンな。花壇を荒らしたりして」
ゴミを捨てたことを怒っていると思っていたユウキだったが、後になって花を傷つけたことが問題だったことに気がついた。ただ、どうしてこの結論に至ったのかは、まったくと言っていいほど覚えていない。
手伝いを申し出たのは、ユウキなりのけじめのつけ方だ。
「ううん、分かってくれればいいんだよ……」
ユウキが掘った穴に、つばさは苗を植えるとそのまわりに土をかぶせる。
「それより、玲華ちゃんから差し入れもらったんだ。これが終わったら一緒に食べようよ」
「いいのか?」
「手伝ってくれたお礼。いいよね、玲華ちゃん?」
ふわっと微笑むつばさの表情に、ユウキは思わずドキッとする。
「緋村、これってどんな花が咲くんだ?」
「これはね、パンジーの花。白くて綺麗な花が咲くんだよ」
「ああ、真ん中が黒っぽくなってるあれか。よく公園にあるやつ」
三色スミレとも呼ばれる定番の花だ。それくらいであればなんとかユウキにも分かった。
「そういえば……」
つばさは思い出す。国道沿いに咲いて轢かれそうになっていた花を、必死に植え替えたことを。
「あの白いリコリスの花、どこにいっちゃったのかな……?」
■PC2エンディング 紅月アカトの場合
「とても不思議なことがあったのです」
「先輩……、何があったんですか……?」
つばさは、遠慮がちに先輩である律花に尋ねた。
律花のアルバイト先であるフラワーショップヒロは夕方ごろに混雑するが、今は客足が途切れている。
店番するので休憩してください、とつばさは申し出たが、なんだかうれしそうな律花に断られてしまう。
「なんと、今朝になって盗まれた花と球根が元に戻っていたのです」
「それはよかったですね!」
ここ2週間ほどの記憶があいまいになっていたつばさだったが、律花が心を痛めていたことはよく覚えていた。いつも店の手伝いを願い出ていたからだ。フラワーショップヒロは律花の両親が経営しているので、このあたり融通が効く。
「きっと、花を盗んだ人が返しに来てくれたのです」
律花は人を疑うことを知らない。本当に悪い人はいないと信じている。
「でも、もしかしたら……」
つばさは、なんとなく思いついたことを口にした。
「正義の味方が取り返してくれたのかもしれませんね」
「つばさちゃんは、ときどき面白いことを言うのです」
うふふっ、と笑われてしまった。
「先輩、ひどいですよぉ……」
本当の事実は、何ひとつとして分からない。
「でも……」
それでも律花は確信していた。
「これでもう、花や球根が盗まれることはなくなるのです」
■PC3エンディング 神谷幸也の場合
「あっ、神谷君!」
白いカーテンで囲まれた病院の一室に神谷幸也が顔を出すと、すでに松浦リルは目を覚ましていた。
「まさか、人間が植物に変えられていたなんてね」
オーヴァードである彼女は、怪我だけでなく体力の回復も早い。今日明日中にでも退院できそうな元気さだ。
事情を知るUGN関係者でもあるから、記憶の処理がされることもない。
「これじゃ記事にできないわよ! せっかく見出しまで用意していたのに」
松浦はしきりに残念がっている。見出しには『深緑市にUFO出現か!? 宇宙人にさらわれた人々』と書かれていた。「出現か」の「か」の文字が、他の文字に比べやけに小さい。
すると、ケータイが鳴った。ベッドの枕元に置かれた松浦のものだ。
病院内のケータイ使用は禁止されているにも関わらず、松浦は電話に出る。
「えっ!? 北海道の山奥に宇宙人が作ったと思われる遺跡を発見した、ですって!?」
神谷はイヤな予感を感じて逃げ出そうとするが、松浦に腕をつかまれてしまった。
「神谷君! さっそく取材に行きましょう!」
■PC4エンディング 波川流星の場合
どこまでもどこまでも広がる闇。
波川流星は、その闇の中へと堕ちていく。
レネゲイドウィルスに侵食されジャームと成り果てたか。そうでなければただ単に死んだか。
いずれにせよ、自らの意識はすでにこの世のものではないことを流星は悟っていた。
「シシィ!」
何者かにコードネームを呼ばれ、そちらを振り向く。
「このオレ様が、キサマを何度も何度も何度も何度も切り刻んでやるぜぇ!」
この闇の中をさまようもう一人の存在。
アジア系の顔立ちをしているが、日本人と言われればそう見えなくもない男。
クローヴァだった。
「一人じゃ三途の川も寂しかろう……僕も一緒に行くよ」
流星が手を差し出すが。
「まだだ! まだ終わっちゃいないぜぇ!」
クローヴァはその手を振り払う。
「今度はキサマをバラバラのズタズタのボロボロにして殺してやるぜぇ! その次は……!」
すでに、復讐が果たされていることにさえ気づかないただのジャームと成り果てていた。
おそらく、復讐という目標を失えば、その存在意義を失ってしまうほどの。
「分かったよ。君がそこまで言うのなら、僕は君の復讐の対象でありつづけようじゃないか……」
「オレメロンパンとカツサンドな!」
「オレは焼きそばパンとカレーパンとコーヒー牛乳だぞ!」
「10分以内に買ってこい! 1秒でも遅れたらどうなるか分かってるな!」
そして流星は――日常へと還っていく。
■PC5エンディング 今川真元の場合
今川真元は、再びドクター・ロイに呼び出された。
また妙な実験台にされるのではないか。一抹の不安が脳裏をよぎるが、ドクター・ロイには大きな借りがあるため、彼の頼みを断ることができない。
「今日は、これを返そうと思ってな」
ドクター・ロイが差し出したのは、白いリコリスの花だった。
「精密検査の結果、この花はごく普通の植物に戻っとることが判明した。これなら、学校の花壇に飾っても遺伝子汚染の心配はないじゃろう。それと」
ドクター・ロイはさらに、真元にとってのトラウマである例のものを取り出す。
「もうこれは普通の花になっとるから、これを使っても花と会話はできんぞ。いったい何に使うつもりなんじゃ?」
* * *
今朝になったら、学校の花壇に白いリコリスの花が返されていた。
つばさは首をかしげる。律花先輩が言っていた通り、本当に不思議なことがあるものだ。
しかもよく見ると、植木鉢にヘアバンドのようなものがはめられていた。
これはなんだろう。三角形のふわふわしたものが二つ。例えるなら動物の耳のような何か。
花を折ってしまわないように注意しながら、つばさは植木鉢にそっと触れた。
「つばさ……ちゃん……。ありが……とう……」
凛とした女性の声を聴いた気がして、キョロキョロとあたりを振り返る。
誰もいなかった。
きっと気のせいだよね。花がお礼なんて言うはずないから。つばさはそう結論付けた。
でも、この花とは切っても切れない縁のようなものを感じる。
だからつばさは、ずっとこのリコリスの花を大切にしようと思っていた。
多年草だから、今年は花が散ったとしても、また来年きれいな花を咲かせてくれるかな?
つばさはふっと思い出す。
――また会う日を楽しみに。
それは、いくつもあるリコリスの花言葉のうちの一つだった。
ダブルクロス3rd「リコリスとヴァンパイア」(END)
「緋村」
あくる日の放課後。
ユウキは、花壇の花を手入れをしていたつばさに声をかけた。
「ユウキ君……? ど、どうしたの……?」
突然呼び止められ、つばさはしどろもどろになってしまう。
つばさの様子はすっかり元に戻っていた。少しおどおどしているけど、やさしかったいつものつばさに。
「オレも……手伝うよ」
手に軍手をはめてシャベルを持つユウキだったが、何をしていいかさっぱり分からない。
「そ、そう……? じゃあ……、ここに10センチくらいの穴を掘ってくれる?」
「おうよ!」
ユウキは、見よう見まねで花壇に穴を掘りはじめる。
「あのさ……この前はゴメンな。花壇を荒らしたりして」
ゴミを捨てたことを怒っていると思っていたユウキだったが、後になって花を傷つけたことが問題だったことに気がついた。ただ、どうしてこの結論に至ったのかは、まったくと言っていいほど覚えていない。
手伝いを申し出たのは、ユウキなりのけじめのつけ方だ。
「ううん、分かってくれればいいんだよ……」
ユウキが掘った穴に、つばさは苗を植えるとそのまわりに土をかぶせる。
「それより、玲華ちゃんから差し入れもらったんだ。これが終わったら一緒に食べようよ」
「いいのか?」
「手伝ってくれたお礼。いいよね、玲華ちゃん?」
ふわっと微笑むつばさの表情に、ユウキは思わずドキッとする。
「緋村、これってどんな花が咲くんだ?」
「これはね、パンジーの花。白くて綺麗な花が咲くんだよ」
「ああ、真ん中が黒っぽくなってるあれか。よく公園にあるやつ」
三色スミレとも呼ばれる定番の花だ。それくらいであればなんとかユウキにも分かった。
「そういえば……」
つばさは思い出す。国道沿いに咲いて轢かれそうになっていた花を、必死に植え替えたことを。
「あの白いリコリスの花、どこにいっちゃったのかな……?」
■PC2エンディング 紅月アカトの場合
「とても不思議なことがあったのです」
「先輩……、何があったんですか……?」
つばさは、遠慮がちに先輩である律花に尋ねた。
律花のアルバイト先であるフラワーショップヒロは夕方ごろに混雑するが、今は客足が途切れている。
店番するので休憩してください、とつばさは申し出たが、なんだかうれしそうな律花に断られてしまう。
「なんと、今朝になって盗まれた花と球根が元に戻っていたのです」
「それはよかったですね!」
ここ2週間ほどの記憶があいまいになっていたつばさだったが、律花が心を痛めていたことはよく覚えていた。いつも店の手伝いを願い出ていたからだ。フラワーショップヒロは律花の両親が経営しているので、このあたり融通が効く。
「きっと、花を盗んだ人が返しに来てくれたのです」
律花は人を疑うことを知らない。本当に悪い人はいないと信じている。
「でも、もしかしたら……」
つばさは、なんとなく思いついたことを口にした。
「正義の味方が取り返してくれたのかもしれませんね」
「つばさちゃんは、ときどき面白いことを言うのです」
うふふっ、と笑われてしまった。
「先輩、ひどいですよぉ……」
本当の事実は、何ひとつとして分からない。
「でも……」
それでも律花は確信していた。
「これでもう、花や球根が盗まれることはなくなるのです」
■PC3エンディング 神谷幸也の場合
「あっ、神谷君!」
白いカーテンで囲まれた病院の一室に神谷幸也が顔を出すと、すでに松浦リルは目を覚ましていた。
「まさか、人間が植物に変えられていたなんてね」
オーヴァードである彼女は、怪我だけでなく体力の回復も早い。今日明日中にでも退院できそうな元気さだ。
事情を知るUGN関係者でもあるから、記憶の処理がされることもない。
「これじゃ記事にできないわよ! せっかく見出しまで用意していたのに」
松浦はしきりに残念がっている。見出しには『深緑市にUFO出現か!? 宇宙人にさらわれた人々』と書かれていた。「出現か」の「か」の文字が、他の文字に比べやけに小さい。
すると、ケータイが鳴った。ベッドの枕元に置かれた松浦のものだ。
病院内のケータイ使用は禁止されているにも関わらず、松浦は電話に出る。
「えっ!? 北海道の山奥に宇宙人が作ったと思われる遺跡を発見した、ですって!?」
神谷はイヤな予感を感じて逃げ出そうとするが、松浦に腕をつかまれてしまった。
「神谷君! さっそく取材に行きましょう!」
■PC4エンディング 波川流星の場合
どこまでもどこまでも広がる闇。
波川流星は、その闇の中へと堕ちていく。
レネゲイドウィルスに侵食されジャームと成り果てたか。そうでなければただ単に死んだか。
いずれにせよ、自らの意識はすでにこの世のものではないことを流星は悟っていた。
「シシィ!」
何者かにコードネームを呼ばれ、そちらを振り向く。
「このオレ様が、キサマを何度も何度も何度も何度も切り刻んでやるぜぇ!」
この闇の中をさまようもう一人の存在。
アジア系の顔立ちをしているが、日本人と言われればそう見えなくもない男。
クローヴァだった。
「一人じゃ三途の川も寂しかろう……僕も一緒に行くよ」
流星が手を差し出すが。
「まだだ! まだ終わっちゃいないぜぇ!」
クローヴァはその手を振り払う。
「今度はキサマをバラバラのズタズタのボロボロにして殺してやるぜぇ! その次は……!」
すでに、復讐が果たされていることにさえ気づかないただのジャームと成り果てていた。
おそらく、復讐という目標を失えば、その存在意義を失ってしまうほどの。
「分かったよ。君がそこまで言うのなら、僕は君の復讐の対象でありつづけようじゃないか……」
「オレメロンパンとカツサンドな!」
「オレは焼きそばパンとカレーパンとコーヒー牛乳だぞ!」
「10分以内に買ってこい! 1秒でも遅れたらどうなるか分かってるな!」
そして流星は――日常へと還っていく。
■PC5エンディング 今川真元の場合
今川真元は、再びドクター・ロイに呼び出された。
また妙な実験台にされるのではないか。一抹の不安が脳裏をよぎるが、ドクター・ロイには大きな借りがあるため、彼の頼みを断ることができない。
「今日は、これを返そうと思ってな」
ドクター・ロイが差し出したのは、白いリコリスの花だった。
「精密検査の結果、この花はごく普通の植物に戻っとることが判明した。これなら、学校の花壇に飾っても遺伝子汚染の心配はないじゃろう。それと」
ドクター・ロイはさらに、真元にとってのトラウマである例のものを取り出す。
「もうこれは普通の花になっとるから、これを使っても花と会話はできんぞ。いったい何に使うつもりなんじゃ?」
* * *
今朝になったら、学校の花壇に白いリコリスの花が返されていた。
つばさは首をかしげる。律花先輩が言っていた通り、本当に不思議なことがあるものだ。
しかもよく見ると、植木鉢にヘアバンドのようなものがはめられていた。
これはなんだろう。三角形のふわふわしたものが二つ。例えるなら動物の耳のような何か。
花を折ってしまわないように注意しながら、つばさは植木鉢にそっと触れた。
「つばさ……ちゃん……。ありが……とう……」
凛とした女性の声を聴いた気がして、キョロキョロとあたりを振り返る。
誰もいなかった。
きっと気のせいだよね。花がお礼なんて言うはずないから。つばさはそう結論付けた。
でも、この花とは切っても切れない縁のようなものを感じる。
だからつばさは、ずっとこのリコリスの花を大切にしようと思っていた。
多年草だから、今年は花が散ったとしても、また来年きれいな花を咲かせてくれるかな?
つばさはふっと思い出す。
――また会う日を楽しみに。
それは、いくつもあるリコリスの花言葉のうちの一つだった。
ダブルクロス3rd「リコリスとヴァンパイア」(END)
PR